ドーナツ市場拡大へ「セブンカフェドーナツ」進行中
2015.03.19
セブン―イレブン・ジャパン
セブン―イレブン・ジャパンは、2013年1月に「セブンカフェ」を導入し、新たな巨大コーヒー市場を創り出した。「セブンカフェ」が好調に推移するとともに、コーヒーに合う商品の開発がテーマとして浮上。コーヒーに組み合わせる商品として選んだのはドーナツだった。2014年10月から関西地区で販売を開始。今年から関東地区での本格導入が始まった。2月末で3100店舗、8月末には全国のセブン―イレブンに導入予定という(1月末現在1万7277店舗)。
「セブンカフェドーナツ」は、「もちもちいちごリングドーナツ」(税込100円)、「チョコオールドファッション」(100円)、「ホイップドーナツ」(100円)、「ふんわりリングドーナツ」(110円)の4アイテムがレギュラー商品で、そこに地域や季節によって例えば「きなこドーナツ(豆乳入り)」(100円)など2アイテムを加え、入れ替えている。
「セブンカフェドーナツ」は、現場で揚げるのではなく、ベンダーの専用工場で製造して配送。
売り方については、包装してカウンター前に置くとか、パン売り場に並べるとか検討したが、包装せずにレジ横のカウンターの専用ケースに入れて対面販売することにした。「最良の美味しい状態で提供できるから、この方法を取った」という。
同社によると「若い女性から高齢者まで幅広いお客様が購入している。当初の狙いどおりコーヒーとドーナツを併せて購入する比率も高い」。
「セブンカフェ」の1杯100円のコーヒーは、2014年度売上高650億円といわれるが、ドーナツもまた2015年度4億個、400億円を目指す。
「セブンカフェドーナツ」は、店によって売れ行きにバラつきはあるが、関西で1日1店舗で2000個を売り上げたケースも出ている。現在は1日1店舗で100~200個を売り上げているようだ。
コンビニのコーヒーは、新たなコーヒー市場を創出したが、ドーナツも他のコンビニの参入が予測され、新たなコンビニドーナツ市場を生み出しそうだ。
これによってミスタードーナツはむろん、ベーカリーのドーナツも影響を受けるが、確実にドーナツ全体の市場は広がるというのが大方の見方だ。
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セブンカフェドーナツは、専用工場で製造したドーナツを店に運んで販売するため、店内厨房で揚げたてを提供するミスタードーナツやリテイルベーカリーに対抗できる商品を作らなければならなかった。このため社内にチームを設け徹底的に研究したという。
配送2~3時間で納品し、包材にも工夫して品質が保持できるようなシステムとしている。
お客の反応としては、コーヒーと合わせて購入する以外に、廉価なことから手土産需要も増えているようだ。