1996年大会
前回初出場ながら、芸術的装飾パン部門で優勝し、総合でも3位に輝いた日本。96年大会の代表選考には、前回をはるかに超える応募があり、業界でクープ・デュ・モンドが大きな関心を集めていることをひしひしと感じた。そんな中で選ばれた3人の選手は、前回とはまた違ったプレーシャーを感じたに違いない。今回はさらに日本のテレビ局も同行取材することとなった。本番前のトレーニングでは、選手同士の歯車がなかなか噛み合わない部分が合ったが、トレーニング最終日には、息も合うようになりあとは本番を待つだけだ。
しかし不運にも、最も扱いを苦手とするオーブンがあるブースが当たってしまう。しかも不安は的中する。当日の朝になってオーブンの温度がなかなか上がらないことに気付く。フランスとスイスに遅れること2時間。何とかスタートしたものの依然オーブンは不調のまま。しかし選手達は少ない時間の中、懸命に知恵を絞り、次々と発酵するパン生地を何とか調整し、作品の完成にこぎつけた。結果は、芸術的装飾パン部門優勝で、総合でも4位だった。ハンデを背負いながらそれを克服し、結果につなげた見事な戦いぶりであった。
日本選手の成績
1996年
(株)ドンク 玉木 潤 バゲット及びパンスペシオ
(株)ドンク 佐藤 広樹(チームリーダー) ヴィエノワズリー
(株)神戸屋レストラン 馬場 正二 芸術的装飾パン
※会社名は入賞当時の会社名です。
結果:総合 4位 芸術的装飾パン 部門表彰
部門別表彰 |
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バゲット及びパンスペシオ アメリカ ヴィエノワズリー スイス 芸術的装飾パン 日本 |
総合順位 |
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1位 フランス 2位 スイス 3位 ベルギー 4位 日本 5位 アメリカ 6位 ルクセンブルク 7位 デンマーク 8位 オーストリア 9位 ポーランド |